本日の講師(前半):河田珪子さん
義親の介護のため、大阪府社会福祉事業団を退職し、自身もがんの予後外来に通院しながら、当事者の立場から「介護しつつ自分の人生を大切にしたい。介護される側の人生も大切にしたい。そんなシステムを創りたい」と呼びかけ、有償の助け合い「まごころヘルプ」、安否確認と毎日夕食を届ける「まごころ夕食」、「地域の茶の間」、「ごちゃまぜネットワーク」、空き家を利用した「常設型地域の茶の間うちの実家」、異業種交流「夜の茶の間ネットワーク」、「ご近所談義」など、多様な住民参加型の助け合いや、異業種ネットワークを、多くの賛同する人たちと一緒に創り続けています。
本日は、そんな河田さんの想い、苦労したこと、周囲の反響など、実体験に基づく深いお話を聴かせていただきました。
グループワーク:「河田さんのお話を聴いて、自分だったらどうするか?」
「誰かに会いたい」「誰かとお茶のみや食事をしたい」「居られるところがほしい」「ほんの少しの間、介護や子守を代わってほしい」こんなささいな願い事をかなえる場を創造してきた河田さんは、「設立した自分自身が利用者です。まずは自分が裸になって、”助けて”と声を上げること。自分から”助けて”と言える関係づくりが大切です」とお話されていました。
家族の中で孤独を感じるお年寄りの方、障害を持っている方や子どもたち。誰でも分け隔てなく、みんなが過ごしやすい”場”。まず外に出る気にさせるような”場”。ずっといたいと思える”場”。やってもらうだけでなく、お互いが持っているもの(物や労力)を出し合える”場”。その”場”のつながりが、ずっと住んでいたい地域につながる、と教えてくださいました。
そんな河田さんのお話を聴き、受講生それぞれが、自分だったらどうするか?自分に置き換えて考えたことを、メンバー同士で共有しました。
本日の講師(後半):小林良二さん
東洋大学社会学部社会福祉学科教授であり、地域福祉が専門で、住民による高齢者の見守りシステムを研究されている小林さんには、地域福祉における「つながり」をめぐる諸問題についてご講義いただきました。
また、小林さんご自身が港区にお住まいのご近所さんということもあり、小林さんから見た芝地域住民による見守り、公的な見守りについてもお話いただきました。
グループワーク:「小林さんの講義『見守りネットワークについて』を聴いて考えたこと」
孤立してしまう方々の様々な要因や、タイプのお話をしていただき、それに対しての地域住民の見守り、行政による見守り、専門的な見守り、など、見守りネットワークの種類についてもご講義いただきました。
住民と行政の間、住民と専門職の間に立つ人が大切である、とお教えいただきました。
小林さんのお話を聴いて、受講者同士、考えたことを共有しました。
グループワーク:「家に何か(火事等)が起こった場合、どうするか?」
不在中の家に火事が起きた場合、あなたはどうしますか?何かあったとき、家に入ってもらえるような頼れる人はいますか?
自分の地域との関わり方について、改めて振り返りました。
「実は、思っていた程深いつながりがなかった」「緊急時、自分の家に入ってもらえるような信頼関係を築くことはなかなか難しい」など、現在の地域住民の付き合い方や、これからどうつながっていきたいかなど、自分や地域を見つめるきっかけになりました。