第7期ご近所イノベータ養成講座レポート2日目 導入合宿②想いを実現するために知っておきたいこと

日時:2019年7月21日(日)
会場:芝コミュニティはうす

昨日7月20日からスタートした、第7期ご近所イノベータ養成講座。導入合宿の2日目は、「互いを知り合う」「自分自身のちょっと深いところを探る」をテーマに、地図を使って互いを知り合うワーク、修了生のストーリーを聞く、受講生どうしでのストーリーテリング、港区の現状と課題を知るレクチャー、ブレインストーミング実習と、盛りだくさんの内容でした。

地図を通して互いを知り合う

午前中の最初は、<地図を通して互いを知り合う>ワーク。
4〜5人のグループごとに港区の地図を広げ、自分と港区との接点を探しながら、カラーペンで印をつけていきます。自分が住んでいる場所、通った学校、職場、遊びに行く所、ランニングコース、友達や恋人との思い出の場所など……。地図を見ながら話すことによって、ふだんの行動範囲が視覚化され、場所にまつわる記憶が次々に呼び起こされるようでした。次に、地図に印したポイントを指しながら、ひとりずつ自己紹介。それぞれの関わりの多様さに驚かされると共に、港区の形や資源のありかをイメージすることができました。

修了生のストーリーを聞く

休憩を挟んで、3名の修了生から、講座受講のきっかけとその後の展開、今もっとも情熱を注いでいること、その根っこにある想いなどを語っていただきました。

6期生の岡田弾次郎さん。「職場-子供の保育園-住まい」という日常の行動範囲からもう一つ違う場所や関わりが欲しいと思っていたそう。講座中に立ち上げた「港区パパ友の会」で仲間が増え、今は町会活動にも積極的に携わっています。子育てネットワークの意義について、「人間は親子だけで完結するものではなく、いろいろな人が関わって育ち合う、育て合う」という言葉が印象的でした。

5期生の久保井千勢さん。マンションの理事会で委員になったことがきっかけで、防災に関心を持つように。地域の人々の「防災意識や活動の凸凹を埋めたい」という思いから、試行錯誤を経て「みなとBOUSAI女子会」を立ち上げ、従来の防災のイメージを刷新するような活動を続けています。受講を通じて、「自分の思いを貫くだけでなく、状況に応じた変化を面白がれるようになった」と語ってくださいました。

1期生の入江杏さん。カウンセリングやグリーフケアの専門家、また、事件で家族を失った経験の当事者としても活動する入江さんは、そこに集う誰もが守られる場所であるアジールづくりや、無縁の縁をつなぐことに力を注いでいます。入江さんによれば、人は誰でも何らかのかなしみを抱える存在。それを受け止めケアするには、「ご近所」のつながりや感覚がとても大切だと、受講を通じて地域コミュニティと関わるようになり感じているそうです。受講生に、「活動を通じてネットワークのハブになっていってほしい」と語りました。

受講生どうしでストーリーテリング

修了生のストーリーを聞いた後は、受講生どうしでストーリーテリングの課題に取り組みました。4人1組になり、グループごとに昼食や休憩の時間を一緒に過ごしながら、ふだんの仕事や生活、受講の動機、今情熱を注いでいること、その根っこにある想いについて、互いに語り、聞き合いました。

午後の最初は、ストーリーテリングのまとめから。グループごとにどんな話をしたのかを発表しました。インタビューし合い、一緒に時間を過ごすことを通じて、互いの間になごやかな空気が生まれているように感じました。

港区の現状と課題を知る

続いて、芝地区総合支所 協働推進課係長 地区制作担当の辻さんより、区の事業計画がまとめられた冊子(『港区基本計画・芝地区版計画書』)をもとに、地域の概要、事業の紹介、課題への取り組みについて話していただきました。港区では、区民参画会議で議論された事柄をもとに政策が立てられ、『地区版計画書』が作成され、計画書にのっとって政策が実行されるそうです。まずはこの計画書を読んで状況を把握し、ご近所イノベーションに活用することから始め、将来的には区民参画会議で事業を提案してほしいという、区政参画への道筋も示されました。レクチャー後の質疑応答では、いくつも質問が出されました。

ブレインストーミング実習

休憩を挟んで、今日最後のプログラム、ブレインストーミング体験へ。

まずは、ひとりずつ、「私の財産目録」(できること=持っているモノ、特技や好き、人と違うこと/ネットワーク=人や組織のつながり、知り合い、コミュニティ)を作成し、グループごとに共有します。そして、各自が持ち寄った「財産」をもとに、チーム名を決定。「ターコイズ」「クリぼう(クリケットボーイズ)」「ポップコーン」「肩こり」「ナポリタン」の5グループができました。すでにグループごとの特徴が出ていて、面白くなりそうな予感。

次に、講座担当の坂倉杏介さんより、ブレインストーミングのコツやルールについての講義がありました。「あたりまえのことは、人の心を動かさない、つまり社会を動かさない」「知っている常識でなく、非常識異端妄説への寛容を」「創造性とは?それを育てるには?」「アイデアは質より量!」「いいね!の気持ちを忘れずに」「他の人のアイデアに乗っかろう!」など、前向きな気持ちでブレストに臨むヒントがいっぱいでした。

講義を聞くうちにウズウズした雰囲気が満ちてきたところで、いよいよ実習です。テーマ「新旧住民や多様な住民同士のゆるやかなつながりを広げるには?」をもとに、各グループごとにプロジェクトの企画を考えます。限られた時間のなかで、アイデア出しをし、ブラッシュアップして、一枚のポスターにまとめる作業。なごやかな雰囲気のなか、笑顔で話し合いが進み、アイデアを書いた紙片がどんどん増えていきます。会話が弾むグループも、少し考えこみがちなグループもありつつ、会場の熱気は本日の最高潮に。

そして、チームごとの発表タイム。
どのグループの企画も新鮮なワクワク感にあふれていて、しかも実現したら面白そうなものばかり。これから半年かけて、実際にどんな企画が立ち上がっていくのか、今からとても楽しみです。

最後に、全員で輪になって座り、振り返りを行いました。昨日の朝は初対面どうしだったのが、2日間を経て、早くも「チーム」の空気感が漂い始めたのが印象的でした。次回は8月3日(土)、「地域をつくるコミュニティのちから」と題して、地域の方々からお話を聞き、ディスカッションを深めます。

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