10回シリーズの講座もいよいよ大詰めの、8回目。シンポジウムと修了式の前の、最後の通常講座でした。9月の合宿以来、5つのチームに分かれて「やりたいことを、まちにつなげる」企画を練ってきました。10月の台風の影響もあり、この日は、すでに企画のプロトタイピング(お試しの実施)をやったチームと、これからプロトタイピングに臨むチームとがありましたが、いずれも「自分たちがやった(やろうとしている)ことを、その場にいなかった人たちにどう伝えるか」に取り組み、シンポジウムへ向けてまとめと準備を行いました。
この日のゲストは、長津結一郎先生。現在は九州大学で、多様な背景を持つ人々の表現活動に関する研究や、大学と地域の協働による芸術活動の担い手育成などに携わっておられます。第1~3期に本講座の事務局と講師を務めた経験があり、このタイミングでの的確なアドバイスやワークを提供していただきました。
“ヤバさ”を思い起こせ!
午前中は、まず、企画のチームごとに現状報告。それを受けて、長津先生より、こんなコメントをいただきました。「プロジェクトを進めるうちに、企画の最初にあった“ヤバさ”(突拍子もない思いつき/結果の分からない謎/アート的発想)が、だんだんキレイなストーリーになっていって、自分たちがやりたい!という、根っこにある想いがよく分からなくなってきている部分があるのではないか。この後の時間で、それぞれの企画の“ヤバさ”を思い起こしてほしい」。
続いて、講座担当の坂倉先生より、聞き手の共感を呼ぶストーリーテリング(企画の目的から実施、考察にいたるまで、自分たちが行ったことをその想いと共に言語化すること)についての短い講義がありました。午前中を通して見えてきたのは、企画の意義や価値を伝えるためには、根本にある“ヤバさ”の表現と、万人に共感を持って聞いてもらえる語り方、その両方が必要だということです。
ワーク「新聞記者になろう」
午後は、企画の根っこにある“ヤバさ”を掘り起こす試みとして、「新聞記者になったつもりで、プロジェクトの起点となるリーダーの想いを他チームのメンバーがインタビューし、新聞記事の見出しになるような一文を考えてみる」ワークを行いました。リーダーの語りから自分がぐっとくるポイントを書き留め、企画の底に流れる想いを表すキャッチコピーへと練りあげていきます。こうして紡がれたのが、以下の言葉。
ご近所らいふすたいるビュッフェ「あなたじゃない、世の中がクソなんだ!食卓を囲んで生きづらさを語り合う場」
港区芝地区移住センター「3年間ひとりぼっちだったリーダーが、移住センター開催」
みんなの地図「妻を想う気持ちが“彼”を動かした。そこに現れた5人の女性…“住む”ではなく“暮らす”を感じられる、みんなの地図」
たねまき基地TOKYO「やりたい気持ちがたねになる。たねをまくなら外でしょう。都会の真ん中に外がある」
(えじそんずこーぼーは、この日まさにプロトタイピングで、保育所でワークショップを行いました!)
新聞記者という他者の目線を介すことによって、それぞれの企画の想いがよりクリアになったり、これまで隠れていた別の側面に光が当たったり、気づきの多いワークでした。その後、再びチームごとに企画のストーリーを練り直し、最後にもう一度発表しました。
11月4日、シンポジウム開催!
さて、いよいよ次回11月4日(月・祝)はいよいよ、講座の集大成となるシンポジウム「異文化との出会いでイノベーションが動き出す!」です。この時には、全てのチームが企画のプロトタイピングを終え、その成果を発表します。ぜひご来場ください!